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わたしの残したい志木の風景

絵・文 松本恭子

宗岡地区の「稲田」

 

 志木は面積わずか9平方キロメートルの小さな街です。この街に荒川、新河岸川、柳瀬川の3つの川が流れ、水運、水害の歴史と共に、その川辺の肥沃な土壌がもたらした農耕の歴史もあります。

 志木のほぼ半分の面積にあたる宗岡地区は、二つの川の中州に位 置し、今なお専業農家が点在する、希少な水田の拡がる地域です。夏の照りつける太陽の恵みで稔った稲穂は、これから秋に向けますます重く頭を垂れ、収穫を経て私たちの食を充たしてくれることとなるでしょう。

 都心に至近距離であることをうたい文句に、利便性だけの都市計画、宅地開発の影で失った遺産は計りしれません。農地、緑地、屋敷林、寺社林、その他文化財(家屋も含む)の数々。都市化の進む中で、農業を営む方々が安心して生業を出来るような農業、そして次世代へ継承できる環境づくりを、市民ぐるみで考えていかなければ、この風景を残すことは出来ないと思います。

(エコシティ志木通信第4号 1996年8月)

 

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