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柳瀬川の四季

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 夏の草刈りの影響か、秋の花、ノカンゾウ、ヒガンバナ、ツルボなどが少なくなってきているのは残念ですが、工事の終わった河原に今までなかった花が見つかったりしています。朝露のついたヘラオオバコの花が朝日に輝く様子、夕焼けの移り変わる色を見ながらの散歩など、川の近くに住んでいる人はいろいろ楽しめます。この自然がいつまでも続いていくことを願っています。
(文:田村キミエ 「柳瀬川散歩」2000 エコシティ志木発行より)
     

春

桜咲く柳瀬川

 

 柳瀬川の春は、水鳥の旅立ちと小さな花々(オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ)が地面 に広がって咲き出すこと、そして土手の桜の花見などで感じられる。暖かくなるにつれ、だんだん背の高い植物も咲き出し、土手も河原も畦道も花でいっぱいになる。

 セイヨウカラシナやハナウド、ハルジオンなどは土手からでも見えるが、ヘラオオバコ、オオカワヂシャ、アカバナユウゲショウ、ムラサキサギゴケ、セリバヒエンソウ、マツバウンランなどは近くに行かないと微妙な美しさはわからない。イネ科のイヌムギ、カラスムギ、カズノコグサなどの花と実もよく見るとそれぞれ変わっている。蝶や虫も多くなり、鳥もそれに合わせて営巣する。田に水が入り、稲が植えられ、梅雨と夏の太陽でずんずん成長する。

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 夏の河原は緑が濃いが、よく見るとアカツメクサ、ヒメジョオン、メマツヨイグサが見られ、カヤツリグサ、イ草も目立たない花をつけ、土手にもゲンノショウコやワルナスビが咲いている。水田の方ではアシやガマが伸びて、キジなどの隠れ場所にもなっている。秋近くなるとコナギ、アゼムシロ、ハッカなどの花も見られる。  

夏

夏の柳瀬川

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秋

赤とんぼ

 

 土手では夏の草刈りがすむと、秋のエノコログサやメヒシバ、カゼクサなどが成長してくる。河原ではオギ、アシ、セイバンモロコシなどが大きくなる。その間でヨメナ、イヌキクイモ、タデの花がところどころで咲き、タコノアシ、チョウジタデも赤くなります。

 秋の虫もどこにいたのかと思うほど沢山鳴きます。水田の稲穂が黄色になり、たわわに実ると本当にきれいです。秋も終わり頃、アシ原の中にノイバラの赤い実やスズメウリの白い実がなり、ガマの穂も綿みたいな実を飛ばす。

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 水鳥が戻ってくると冬本番です。柳瀬川の水も冬の方がきれいになり、魚もよく見えます。土手では冬でも青々とイヌムギやヒロハウシノケグサなどのイネ科の短い葉がしげっていて、これをヒドリガモが食べます。いろいろなロゼット葉もあり、春一番に咲く草も葉も広げ、地面 に近い所では春の準備中です。柳瀬川は広々とした開放感あふれる眺望が魅力ですが、特に冬は雪の富士山と秩父の山々が見えることが多く楽しめます。  

冬

雪景色の柳瀬川

ph.Masanori Mohri

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